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相続の対象について

被相続人の死亡の時点におけるすべての財産が相続の対象となります。土地や建物などの不動産、銀行等の預貯金、株券、現金、人にお金を貸している場合の貸付金、など、さまざまなものが相続財産に含まれます。

複数の相続人がいて、かつ、遺言書がない場合、可分債権(銀行預貯金は原則としてこれに当たります)は相続と同時に分割され法定相続分に従って分割されます(←平成28年12月19日の最高裁判例により、預貯金については遺産分割協議の対象となることが明らかにされました)が、不動産などはまず共有状態になり、分割協議(または調停や審判など)を経て、はじめて個々の相続人に分割されます。

ここで、元々は被相続人の財産であったとしても、生前に贈与されていたものは遺産の範囲に含まれないことに注意する必要があります。例えば、祖父が子や孫に土地を贈与していた場合、その土地は相続財産ではありません(ただし、遺産分割協議においては特別受益の問題になりえます)

なお、相続の対象となる財産には、不動産、現金、預貯金、株券などの積極財産だけではなく、 借入金、住宅ローン、損害賠償義務などのマイナスの財産も含まれます。ただ、住宅ローンは多くの場合、被相続人が亡くなった時点で保険で支払われます(ただ、案件により異なりうるので、確認が必要です)。

不動産
→ 土地、家屋、農地、山林など
動産
→ 現金、預金、自動車、家具、貴金属、美術品など
債権
→ 借地権、借家権、貸金債権、売掛金債権、有価証券、電話加入権
 退職金、被相続人が受取人となる生命保険金請求権など
無体財産権
→ 特許権、著作権、商標権、意匠権など
債務
→ 借入金、損害賠償債務など
このように、様々な種類の財産があるため、遺産分割までの管理も場合によっては手間がかかります。
遺産分割までは不動産の利用や売却、株式の売買、なども事実上制約があり、長引くことで経済的な不利益が生じることもあります。
そういう意味でも、早期の分割や、分割後の利用についての計画を立てることも重要になってきます。

ところで、基本的に、積極財産よりマイナス財産の額が多いときでも、全ての債務を受け継ぐことになります。それを避けるためには、積極財産、消極財産のどちらも受け継がない貯めの手続き(相続放棄)をとることが考えられます。


また、限定承認という方法もあり、これは、相続の段階で、プラスの財産とマイナスの財産のどちらが多いかわからないとき、限定承認をすれば、 債務のほうが多いときは、引き継がなくて済みます。ただ、相続人が複数いると、全員でする必要があるので、使いづらい制度だとも言われます。
相続放棄、限定承認とも期間の制限があるので、注意が必要です。
*また、相続財産を処分すると単純承認とみなされ、以後放棄や限定承認が出来なくなります。